今日もいつものように微妙な遅刻加減でユキマルさんに生暖かな眼差しで見つめられつつ、連携プレーで配置完了の宵闇亭。
本日最初に通り縋ったお客様は、先週も見かけたハバーツ人アスヴェルさん。
相変らず青いお馬様がきまってますね!
僕も遥か昔青いお馬様に憧れてハバーツに突撃した時代もありました!でもなんだかんだで乗れないまま終わりました!そんな青春。
といいますか、青馬様なんてもうフェルッカでは一年以上見てない気がします。赤馬様なら某PKギルドで沢山見れますけどね!
ところで唐突にユキマルさんが一言。
「お客様、ガンダムっぽいですね!!」
バイトー!! お客様に向かってガンダムって君ィ!
あっでも前々から何かに似てるなーと思ってました!
そうかガンダムだ!
「あっ、よく言われます」
やっぱり!
ここぞとばかりにガンダムっぽさを誉めそやす僕ら。やはりガンダムは日本の心。
もうアスヴェルさんは「評議会の白い奴」とか名乗ればいいですね!
……と思いきや、そろそろハバーツやめようかなと思ってるとのこと。それは残念……。
まぁどう考えても敵も味方もいないこの御時世、青馬様に乗っていても面白いとは到底思えませんので、心中はお察し致します。
と、そこへ……もふもふと足並み揃えて現れた白い……白、
白クマだ───ッ!
クマ軍団の司令官と思しき方もビビッってたようですが、こっちの方も相当ビビリました!
北極からこんなところまで進軍とは!というか今時白熊とか!
今日は漢に巡り合える日ですね。ライト感激。
さらにこの司令官殿。
こんなに美しい整列技まで披露。
当店の狭い駐車場が、まさか白熊でいっぱいになる日が来ようとは夢にも思いませんでした。
ああ、あの輝く尻毛にモフりたいモフりたい!!
司令官殿はトカゲ討伐にお越しの様子でしたが、当然逃さず当店にガッチリお迎えであります。
さてさて、白熊先生の癒しオーラも幸いしてか、続々お客様の入る宵闇亭。
あれもこれもとご注文を頂きまして、ユキマルさんとおおわらわでございます。
「ユーワイン下さい」とか「焼き鳥下さい」とか
「ともひろ巻き下さい」とか
えっ?
なんですかその謎メニュー!
「ちゃんと書いてありますよ。下さいともひろ巻き」
いやまさかそんな……って
書いてある!!
しかも時価。
とーもーりーんー!
こんな悪戯をする人はあからさまにあなたしかいません。
えーと……ともひろ巻きは現在材料入手がとんでもなく困難の為、時価100,000Kぐらいです!
ともひろ一匹捕らえるのにユキマルが500匹くらい必要ですから!ちなみに僕だと10,000匹でもまだ足りません。
あっ、でももしかしたら「ともひろを巻いた寿司」ではなく、
ともひろが愛を込めて巻いた手づくり巻き寿司だぞぉ★ミというメニューだったのかも?
どっちにしろ大変なことになりそうですが。
というわけでこのメニューは即削除!宵闇亭の
黒歴史として無かったことに致しましょうね!
と無理やり仕切りなおそうとしたのも束の間。
「じゃあこの
ユキマルヘッドパッドなるものを」
まだあるんですか!!
ともりん。
あなたは宵闇亭を一体どういう店にする気ですか。
30ページ目という中途半端な位置がまさに知能犯。
しかも*額に皺*ってなんですか。
まぁこれくらいならやってやれないことはない、というわけでユキマルさんを半強制的にアスヴェルさんのトンガリにヘッドパッドさせたり、恥を忍んで額に皺を寄せてみたりしました。
お客さんの満足そうな顔が見れて僕も幸せです……。
あっ、ユキマルさん
飛び散った脳漿はご自分で掃除してくださいね。
ひとしきり店内も捌けた後、なんとなく外に出てみますと、すごい勢いで大惨事になってました。
どうもプーさん大暴れの巻だったようです。
祭に乗り遅れたちゃった感でイッパイの僕ら。
ここぞとばかりに唯一の取り得と自負しております包帯巻技術で人命救助を行ったりして、心の徳をもりもり稼ぎます。
一日一善!
良いことするって気持ちいいなぁ!
が、救助する端からレスキル状態でしたので、ともするとプーさんのお小遣い稼ぎの片棒を担いでしまったのかもしれません。
地面に転々と転がる皆様の死体を前に途方に暮れつつ、今宵の宵闇亭は閉店とさせて頂きます。